Case 【活用事例】株式会社秋葉乳業様

「年400万円相当の工数削減と、それ以上に大切なもの」

株式会社秋葉乳業

  • 食品
  • 51~100名

株式会社秋葉乳業

千葉県八千代市

製造本部 シニアマネージャー

石松 秀輔様

課題

  1. 1.
    作業報告の類は基本的に紙運用で、対応漏れやファイル紛失が散見
  2. 2.
    大きなインシデント以外は対応報告もリアルタイムで把握できず
  3. 3.
    食品を扱う立場として保全や衛生にもっとチームで向き合わねば、という危機感

成果

  1. 1.
    製造部門の設備点検、日常清掃におけるペーパーレス化、業務効率化を実現
  2. 2.
    点検者、管理者とも作業工数の削減に成功し、年400万ほどのコストインパクトに
  3. 3.
    一番の収穫は「部内の保全・衛生に対する意識がSUKKHAを通じ変わったこと」

秋葉牧場ホールディングス、秋葉乳業について

1887年に搾乳専業牧場として創業以来、140年近くの歴史があります。東京ドーム7つ分の広さがあるここ成田の牧場としても50周年、観光牧場としても40周年が近づいてきています。

酪農を軸に観光牧場・キャンプ場運営、乳製品の加工・販売など、長く続いてきた伝統を守りながらも柔軟かつ幅広く事業を展開しています。

秋葉乳業は、ゆめ牧場と併設で酪農、製造を担っています。自社飼養・搾乳から商品の企画・製造、販売までを一貫して展開する「6次産業化」は、弊社ならではの形と自負し、質の高い乳製品をお届けするよう努めています。

紙運用のまま、改善に着手できず

製造本部のミッションは、生産量を高めつつ、乳製品を世に届けていくための品質維持、安全性の担保を重視しています。HACCPに則った管理を適正に遂行すべく、各工程の製造設備の保全には気を配らねばという思いでいました。

ただ、以前のオペレーションは、

・日常点検、月次点検など、いずれも紙運用でそのままファイリング
・稼働停止などのインシデント以外は、管理職が忙殺されて現場任せに

といった状況でした。

「変えなきゃ」と「どうすれば」の狭間で

その結果、

・点検の抜け漏れが散見され、そこに気付ける体制も不完全
・記録が歯抜けであることで、先々の点検計画を組むのに管理者が苦慮
・過去にはファイル紛失もあり、必要な履歴にたどり着けず

といったことが常態化していました。

以前、保健所の監査で「HACCPの記録が不十分かつ杜撰だ」と厳しく叱責され続け、乳製品の取扱を剥奪されかけた話を聞いたことがありました。

歴史を紡いできた会社に万が一にも泥は塗れまい…。「どうにかしなきゃ、でもどうしていいか…」と思案していたところ、SUKKHAを知りました。

「渡りに船」でSUKKHAを導入

実は以前から「何かいい方法はないか」ということでいろんな手段を事業部長と検討していました。ただ、予算面で折り合いがつかなかったり、HACCPへの適合性だったり、我々の知識不足だったり…。経営陣に対して、必要性やメリットをどう表現するか、熱量をうまく形にできていませんでした。

そんな中、結果的にはSUKKHAを導入することになるのですが、内心「よし!」と思いました。本当に保全・衛生管理の改善に困っていたし、「社内にシステムの必要性をわかってもらう」という悩みの種が省けたので(笑)。

改善体制とそのボリュームは

製造本部の管理者3名、現場担当6名で、

・各設備(※)の日常清掃
・その他定期点検(月次・四半期など)や異常報告・対応記録
 ※乳製品プラントの配管・タンク、アイスバンカーなど

などを、紙運用からSUKKHAへ移行しました。
点検・作業の頻度はまちまちですが、平均400-500件/月の報告が対象です。

サポートがあってよかった

導入にあたっての準備として、

・対象となる設備と、それらの情報を一覧化
・各設備に対して実施される点検の種類と、その項目の一覧化
・その他SUKKHAで改善できる業務がないかのヒアリング、提案

を、サポートチームに伴走してもらいながら進めました。

担当の方には「本当にこの人でよかった」というほどに手厚く支援してもらいました。こういったシステムを扱った経験がなかったため、自走だと現場定着はだいぶ遅くなっていたと思います(導入から約3.5ヶ月)。

改善がしっかりと数値にも

結果として、認識しているだけでも

・日常点検の効率化によって1件当たりの工数が87%減
・「月末一括ハンコリレー」だった承認業務を「日々SUKKHAで」実施したり、点検漏れに起因する不要な奔走がなくなったことで約80%工数削減

などの効果が出ているので、ざっと年間400万円ほどコストインパクトは出ているはずです。費用対効果に満足していますし、「こういうシーンにも使える」という話は常に話しているので、今後さらに効果は出ると思います。

SUKKHAがもたらしたのは…

何より嬉しかったのは、チーム内の保全・衛生に対する意識がSUKKHA導入を通じて大きく高まったことです。

今日もちょうど「SUKKHAにこの点検情報まだ入ってないよ!」という指摘がメンバー間で飛び交っていたり、異常の共有も即座に関係者へ飛ぶようになったことで修理依頼が早くなったりと、どう伝えようか悩んでいた「HACCPに沿って点検、保全を遂行していく意味」が自然と浸透するようになったことが一番の収穫だと思います。

今後の展望

当座「活用の幅を広げる」ということで言うと、

1. いまの用途で、現状利用している社員以外に使えるメンバーを増やす
2. 弊社車両の車両点検、運行日報などの管理
3. 酪農領域で、設備だけでなく牛たちの飼養管理

と、弊社ならではのSUKKHA活用を目指していきたいです。

また、落雷の多いエリアですので、万一直撃した際に大事な原料がロスにならないような、IoTによる温度管理になどをすでに相談しています。

SUKKHAには細かい機能要望を出していますが、一番は「我々の酪農・製造体制のキャパシティをもっと大きくして、SUKKHAが活躍してくれるフィールドを増やしていくこと」だと思っています。

おわりに

SUKKHA導入のきっかけを作ってくれた弊社代表には、実はまだこういう効果が出ているぞ、ということをしっかりとは伝えていないんです。このインタビューをまとめてくれたものをそのまま持っていこうかと思っています(笑)。

「酪農・製造キャパをもっと大きく」というのは、7代目である代表の言葉にほかなりません。そのバイタリティに負けないよう現場を強くしていくため、SUKKHAは不可欠な存在になっていくと確信しています。

取材後記

通常、お客様のもとでは「工場に伺い、拝見する」ことが大半ですが、ゆめ牧場ならではの「酪農、製造、観光」が一体となった光景は他では味わえない“ワンストップ感”を目の当たりにすることができます。生まれて数日の仔牛たちがすでに素敵な名前をもらい、立派な体躯で自立している光景が印象的でした。

また、数値的な効果をシビアに見ていただきつつも、「一番はチームやメンバーの保全・衛生に対する意識がSUKKHAを通じて大きく変わったこと」という石松様からのコメントが何よりうれしく、今後もサービス発展の手を止めてはいけないと身が引き締まる思いです。

用途の横展開や、酪農・製造事業拡大の一助となるべく、今後も微力ながらお取り組みを前進させてまいります。

会社名

株式会社秋葉乳業

代表取締役

秋葉 秀威

設立年

2020年(秋葉牧場としては1887年)

本社所在地

千葉県八千代市

業務内容

酪農業、製造業